“東京の空”の下で

音楽をこよなく愛するおばちゃんが日々の出来事をつらつらと綴ります。

ザ・カセットテープ・ミュージック“秋の名曲大感謝祭”マキタスポーツさん選曲①

ここからはマキタスポーツさん選曲の2曲です。
意表をついたスージーさんの選曲に対して
マキタさんはどの曲を選んだんでしょうか…・。
 
 
マキタスポーツさん選曲①
秋の気配
 
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M:しかしまぁ、ちょっとオフコース2曲連続って
やりすぎじゃないかと思いますねぇ。
 
S:ルールを破ってしまって本当に
申し訳ございません…
(私にはわからないのですが、
『ひとり1曲に限る』みたいな
番組の選曲ルールがあるみたいです)
ちょっと個人的に「秋だ~!」と思ったもんで…。
 
M:奥さん、まかせてください!
ここからの最終コーナー回ってからの
マキタはそういうことはしませんから!
ご安心いただきたいと思います!
 
S:気分を変えてね。
 
M:私のターンでございます!
え~、こちらでございます!
 
~“秋の気配”が流れる~
 
S:あれっ?あれれ???
 
(しれ~っとするマキタさん。
歌に入るとなぜかふたりで
空に向かってガッツポーズ
※この回の収録は屋外(というかベランダ)でした。
 
M:『秋=オフコース特集』でいきましょう!
 
S:そうしましょうか、いっそのこと。
 
M:『オフコース特集』でいきましょう!
 
M:80年縛りも番組のルールも
へったくれもなくなってるけど、
ほぼ『オフコース特集』でいっちゃうよ!
 
S:いきましょう。
 
M:本当に名曲いっぱいあるんですけど、
まだ大ブレークする前の曲ですね。
 
S:70年代のですね。
 
M:で、今日はですね、僕の死後発掘された
マキタノートをオフコースでちょっと
作ってきましたけれど。
(マキタさん、ノートを取り出す。
ちなみに『死後発掘された~』は
お約束の文句のようです)
 
S:楽しみですね♪
 
M:キャッチフレーズで作ってきたんですけど、
『テクニックを競わないフュージョンバンド』
めちゃくちゃハイテク集団なんで、
凄いウデのあるミュージシャンだらけで
コーラスももちろんできるんですけど、
そもそもバンドとしての実力が凄いですね。
 
S:上手いですよね~上手い。
 
M:この人たちって、たとえばコード譜を作って、
スタジオワークでね、曲を作るときに
まずコードとかの構成を決めたうえで
その中で詞とか後々作っていく。
これってジャズミュージシャンや
フュージョン系のバンドとかが
やっていることなんです。
だけど、そういうことをやりがちな人って
テクニックに走っていくんですよ。
そうなっていくと、凄いハイテクな
フュージョンバンドになるんですけど、
ギリギリ、この人たちは歌モノにしてるんですね。
 
S:テクニックに溺れない!
 
M:テクニックに全然溺れてない。
そのあたりの綱渡りの感覚っていうのが
普遍的だし、時代がからないんですんですね。
テクニックだけのものとかになっていくと
ちょっと古いフュージョンバンドとかは
あり得ると思うんですよ。
器楽性…器楽曲って言いますよね、
インストゥルメンタルのバンドのこととかを
いうんですけど、そういう方向にはいかないで
ちゃんと歌モノになるようにしている。
で、オフコースってやりがちなのは
1コーラス目のメロディーを違うのが
2コーラス目にちょっと入ってくるんですよ。
 
S:あぁ、さっきの“YES-YES-YES”もそうですね。
 
M:♪あなたの声が~♪とかね。
メロディーの譜割がちょっと違っていたりする、
そこがすごくヒューマンなんですよ。
だからあれを聴いていると、
曲を作ったことのある人だったら
わかると思うんですけど、
最初のメロディーとちょっと逸脱した
メロディーが入るのはちょっとアドリブっぽい
メロディーの作り方なんですよ。
すごく確かな技術でやっている演奏力とかが
機械的ならば、メロディーのところで
ちょっとヒューマンなことをやっているっていう。
オフコースのおもしろさって、
文芸性とかも取り上げられたりするんですけど、
やはり、小田和正さんって工学系の
理系頭の人じゃないですか。
 
S:日本を代表する理系バンドですね。
 
M:でしょ?実はすごく理屈っぽく、
構造として遊びの部分から作り、
土台をしっかり作った後に
その上に何を作るかという
建築物として上手く作られているような
気がするんですね。
 
S:それを言えば、クィーンがね、
ブライアン・メイが理系の博士号を
持っているっていうのと近くて、
クィーンって一見フレディ・マーキュリー
ワンマンバンドに見えるんだけど、
全然違って全員で曲書くし、
『日本のクィーン』って言うと
矮小化しちゃいますけど、
そういう風な底力っていうのはありますね。
 
M:僕はここ(マキタノート)にも書きましたけど、
歌詞が時代がかってないっていう…
それはですね、中身でいうと、
抽象度が高いんです。
具象度はそのかわり低いんですね。
 
S:あ~、確かに抽象的ですよね。
 
M:誰の心にもある心象風景を
あてはめる歌詞になっているんですね。
だから詞の部分ではあんまり古びない。
『音楽印象派集団』
 
S:『印象派』、いい表現ですね。
 
M:だから、出来上がった作品じたいは
セザンヌとかルノアールの絵画みたいな
ぼんやりした印象的な感じの風合いに
なっているでしょ。
とにかく奥行きがある。
こういうレコーディングとか
こういうアーティスト像の人っていうのは
なかなかいなかったんじゃないかと思って。
あと、この歌は意外と下衆なんですけどね。
男の人が女の人を振る歌なんです。
 
S:かなり勝手ですよね、コイツね。
 
M:はい、そうなんですね。でね、
『僕のせいいっぱいのやさしさを
あなたは受けとめる筈」もない』って、
なんかスゲー上から言ってるんですよ。
 
S:言ってます。
 
M:『僕という存在が君にしてあげられることが
あなたにとっての一番のやさしさなんだよ』
っていうこと?すごい上からなんだけど、
『こんなひどい歌はない』って
小田和正さん」自身も言ってるんですって。
ところが、オフコースのファンの中では
この曲がすごく好きなんですって。
 
S:みんな好きですよ、この曲。
あとね、2番の歌詞でね、僕は割と
気になってたんですけど…
『あのうただけは ほかの誰にも
うたわないでね ただそれだけ』
 
M:いや~、重要なことを言いました。
今の話を受けたうえで次の曲にまいりましょう。
 
S:受けるということは、“アレ”ね?
 
 
意表を突いた選曲のスージーさんに対し、
超ド定番で攻めてきたマキタさん。
 
番組中で自らを「隠れオフコースファン」と
公言しているマキタさんだけのことはあり、
さすがの分析力に感服するばかりです。
(ただ、公言した時点で隠れてはいないと思う…
 
さて、次なる選曲は?
すでにおわかりの方もいらっしゃいますよね?